伊東を掘りおこそう!

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伊東の思い出を繋ぎなおす日々と未来への想い

伊東市ブランド研究会のサポーターとして、ここに投稿させていただくにあたり、一度も伊東市民にも静岡県民にもなっていない私でいいのだろうか?という想いがずっとあり、戸惑っていました。
そんなとき仲間たちから、個人的な思いでもいいと言ってもらえ、それならばと、“めっちゃ個人的なこと”を書かせていただくことにしました。

ワーケーションで訪れる伊東の魅力

ブランド研究会や伊東の観光に関わるようになってまだ1年足らずの新参者です。

きっかけは伊東市ワーケーション事業を推進する仲間から声をかけてもらったことでした。
あとで触れますが、私は「伊東」と聞いただけで、わくわくする気持ちと、きゅっと胸の奥がきつく感じるという両極端に感情が動きます。
もちろん即答で関わらせていただくことにしました。

何ができるのかすら、よくわからないままで。

現在「伊豆高原観光オフィス」では、ワーケーションワンストップ事業を推進しており、伊東に訪れる旅行者のうち「ワーケーション」として滞在される方々へ、きめ細やかなサポートをされています。
ワーケーションとは、「Work(ワーク)」と「Vacation(バケーション)」を組み合わせた造語です。
働きながら休暇を楽しむ、または休暇を楽しみつつ仕事もする、といった意味があります。

コロナ禍の影響で、一気にリモートワーク化が進み、在宅ワークへの抵抗感は少なくなりました。それでも、まだ完全に「働く場所は自由」という状況には、残念ながらなっていないですね。
課題は様々で、受け入れる側がどんなに整備してプロモーションをしたとしても、働く人々が、もっというと働く人々が所属する組織が、いかにワーケーションを正しく理解し、抵抗感をなくし、実践できる環境を整えるかということが、やはり大変重要だと感じています。
山があり、海が見え、自然の資源が豊富にある伊東でのワーケーションは、人々の幸福感をぐっと引き上げ、同時に生産性をあげるものになるだろうという確信を私はもっています。

今年3月に、ワーケーションモニターツアーが行われ、私の住む鎌倉からも参加した人がいました。

自然の資源が豊富なのは鎌倉も同じなのですが、それでも「また来たい」「もっと長く滞在したい」「帰りたくない」という声を聴きました。

それは、人々の幸福感を引き上げるものは、自然環境だけでなく、その土地に脈々と受け継がれる歴史的背景や、人が住み続けることでつくられる文化、垣間見える人々の暮らしなのだと、あらためて認識したのでした。

家族との思い出が蘇るノスタルジックな土地

初めて伊東を訪れたのはもう四半世紀以上前。私の10代後半から20代前半にかけて、いわゆるバブル経済で日本中が浮かれていた時代の余韻が残っている頃でした。

当時、不動産デベロッパー事業をしていた父の会社は、伊東にリゾートマンションを建設し、私たち家族はその一室に、週末ごとに足を運びました。
夏は朝の涼しい時間から海に行き、秋から冬にはゴルフをしたり、大晦日に来て年越しからお正月三が日を過ごしたり、とにかく伊東の滞在を満喫していました。

砂浜に寝ころび、お腹に響くような大音量で観た花火は忘れられません。
大学生になり、そして社会人になり、他の地域の花火大会には何度も行きましたが、ここまで強烈で印象的な花火大会にはまだ出会っていません。

あれから何十年も経ってしまいましたが、「伊東」と聞いただけで家族と過ごした幸せな思い出が蘇ります。

あの時代はよかった、とか、今は亡き母をもう一度連れてきてあげたかった、とか、色々な感情が沸き上がってくるんです。
そして今感じるのは、もっと伊東のまちを知っておきたかった、もっと伊東の魅力に触れたかったということ。

まだ学生だったというのもあるけれど、あまりにも、まちに出ていってなかったのだと思います。
思い出すのは家族の顔だけで、伊東の人たちと関係を築いていたわけではなかったのです。

なんてもったいない滞在だったのでしょう。
興味関心がなかったのでしょうね、当時のわたしには。

相模湾をぐるっと繋ぎたい

実は、伊東の観光に関わるようになってから、コロナ禍の影響もあって、実はまだ両手にあまるくらいの回数しか来れていません。本当はもっと頻繁に来たいのですが…。

自宅のある鎌倉を出て伊東に着くまでの間、相模湾をぐるっと西に向かっている、ということを感じながら移動しています。途中小田原や熱海を通過して、寄り道もしたくなったりしながら。

鎌倉では「鎌倉ワーケーションWEEK」というプロジェクトにも参画しており、今年は11月21日(月)~26日(土)の期間に集中して東京近郊の企業や個人のワーケターをお迎えする予定です。
鎌倉から伊東への道すがら、あちこちでワーケーションを広めながら移動したいなといつも考えるんです。

相模湾沿岸のまちを、ワーケーションで繋ぎ、人々もひとつのまちだけでなく相模湾沿いをノマド的に行ったり来たり。海や山の恵みを感じながら、地元の人たちと触れ合いつつ、旅をしながら仕事をして、自由に暮らすように旅をして・・・

何十年も前に通ったまちと数年前に移住したまちの間が繋がったら素敵だなと、ほのかな夢を見ています。

まとめ

私にとって伊東という地は、想い出の詰まったノスタルジックなところです。
週末ごとに家族で過ごした、あのきらきらとした日々。
令和の時代の人たちからみたら「エモい」と表現されるかもしれない、今ではレトロな世界です。

その昔の伊東と今の伊東。

想い出の中の伊東と、人々と関わりながら少しずつ知る伊東。
こうして、想い出を繋ぎなおしている感覚があります。

今から何十年か先に、「伊東」と聞いたとき、この土地の人々の笑顔が浮かんだら、それはとても幸せなことだなと思います。

何十年経っても、この土地の人々との関係が続いていること、今はそれを想いながら、誰が来てもそういうまちであってほしい、そういう伊東をつくるために、今できることを積み重ねていきたいと思っています。

書いた人:株式会社コーチ&パートナーズ 代表取締役 河合由紀

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