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伊東は何をすべきか? ファムトリップ参加者に聞いてみました

インバウンド需要を伸ばすことは、これからの伊東観光にとって重要なキーの1つであることはまちがいありません。
では、ほかの観光地より一歩抜きん出て、海外の方々に魅力を感じてもらうにはどうすればよいでしょうか? 
2024年1月28〜29日に日本在住外国人のみなさん6名にファムトリップに参加していただき、最終日に座談会形式で伊東観光に関する意見をお聞きしてみました。

参加者:アメリカ出身3名 台湾出身3名 日本在住
観光関係の仕事をしていたり、日本各地の観光地に旅行している。
体験してもらったメニューは以下です。

・まくら投げ
・ボッチャ
・ムーンライトカフェ
宿泊:暖香園

【伊東の知名度について】
参加者ほぼ全員伊東という場所を知らなかったと発言。
「伊豆という名前は知っているし、河津や下田には行ったことがある。河津は河津桜が有名だし、下田は歴史的なものに出会えるから。でも伊東は知らなかった」
「名前は聞いたことはあるけど、何かあるんだろうか? と思っていた」
「外国からの観光客は、1回目は東京や大阪などの有名な観光地に行くと思う。伊東は知られていない分、穴場と言える。2回目3回目の訪日では、穴場として人気が出るのでは」
などの意見が出されました。まず伊東というディスティネーションを知ってもらうこと、これが課題の1つということが浮き彫りになりました。

【旅について】
目的地の決め方
・Google Mapsの活用
・InstagramとGoogle Mapsの組み合わせ
・GoogleやInstagramとYouTubeチャンネル

目的地をどうやって決めるかは、ほぼデジタルを活用し自ら検索するスタイルが主流のようです。
「漠然と“台湾に行きたい”と思ったら、Google Mapsで台湾の主要な観光地を見て、人が立てたピンを見ます。面白そうだったら自分もピンを立てていき、周遊するルートを作ります」
「お正月に初日の出を見たいと思ったら“富士山”“日の出”で検索し、出てきた情報を精査して、併せてInstagramなどでも検索する」
「Instagramで検索し、出てきた動画を見る。中には日本人が“伊東に行くなら絶対ここ”と投稿した場所が出てきたりするので、面白そうだったらGoogle Mapsに切り替えてピンを立てる」
「写真を撮るのが好きなので、写真を撮れる穴場スポットを探して、見つかったらそこから100キロ範囲内に行く勝ちがありそうなものがあったらピンを立ててルートを作ります」
「まずGoogleやInstagramで検索し、興味がある場所があったらYouTubeの旅行チャンネルで動画を見たりします」
観光客はほぼネットを活用しているため、伊東でも「ここに行ってみたい」という情報をきれいな写真とともにうまくGoogle MapsやInstagramに載せ、注目してもらうことが重要だと分かります。

目的地が決まってから
・OTAを利用。特にKlook、KKday
・伊東の情報が代表的なOTAに少ない

では、大まかな目的地(たとえば伊豆半島)が決まったあとはどう絞り込んでいくのでしょうか。
今回の参加者全員が利用しているのがOTA(Online Travel Agent ネット上のみで旅行商品の取引を行っている旅行会社)で、「Klook(クルック)」と「KKday(ケーケーデイ)」をよく使うそうです。
ところが、ここに伊東の情報はほとんど載っていなかったとのこと。
上記のようにネットでの情報収集をして「ここに行こう」という次のアクションが、OTAでの予約になるので、OTAに魅力的なコンテンツを掲載することは大切です。
台湾出身の参加者は「台湾からの観光客を呼びたいならこのKlookとKKdayへの掲載は必須」といいます。
「これらのアプリで検索すると静岡県のメニューで人気なのはフルーツ狩り、河津桜、スキー場、フェリーに乗るツアーなどですね。伊東はホテルが数軒載っているだけでした」実際に伊東を調べた参加者の声です。
Klook、KKdayでは施設の入場チケットやアクティビティ単体の予約のほか、いくつかの観光スポットを組み合わせたツアーも売っており好評です。伊東でも周遊ツアーが提供できるのではという声もありました。
同時に「パンフレットがあると良い」という要望もありました。目的地の情報を得るのはネットでできても、歴史・地理的背景や、細かい情報を知りたいときはパンフレットが便利だという意見です。少々文字量が多くても、観光スポットについての細かい情報はパンフがいいので、ホテルに置いてほしいとのこと。
「伊東市の公式サイトは情報が多くて良いが、英語版がないのが残念」という声もありました。

【アクセスについて】
・踊り子号で東京から2時間ということをアピールすべき
・サフィールはじめ踊り子号の魅力をもっと全面にだしては
・JRパスで踊り子号が使えることが知られていない
・域内交通については、不便なので足も含めたツアーを組むのが良い

 訪日観光客にとっての問題は、伊東にどうやって行けば分からないことです。
交通機関にあまりインフォメーションがなかったということで、間違えて小田原で降りてしまった人もいました。
東京から踊り子号で乗換なし1本で来られるという情報が知られていないのはもったいない、外国人観光客はJAPAN RAIL PASSを必ずといっていいほど使うので、踊り子号も使えることをアピールすべきだという声も。
また、伊豆急線は海沿いを走るので、海を眺めながら目的地へ行けることは「行きたい」という気持ちのフックになるかもしれないという意見もありました。
「成田空港に着いた外国人観光客は、まず東京へ出るので、そこから乗り換え無し2時間で来られる利便性は強み」
「東京からこんなに近いことをもっと強調したほうがいい」
などの意見も。
また、踊り子号のサフィールは、電車に乗るのが好きな人(乗り鉄?)には人気が出るだろうとのこと。
伊東に着いてからの移動手段については少々不便と感じたそうで、「観光スポットをつなぐアクセスも込みのツアーとして売り出した方が良い」という意見が多数でした。

【伊東の食事について】
・魚が美味しい
・料理はどれもとても良い
・料理の説明を聞きたい/品書きでも良い

食事の味については大変好評でした。
「コースになっていて、夕食と朝食がついて(ホテル代も含めて)とても安く驚いた」という声も。
希望としては、テーブルに料理を置くだけではなくて、伊東ならではの食材や料理のバックボーンなどについても少し説明があるともっと食事が楽しめるという意見がありました。
言葉で伝えるのが難しいなら、品書きの英語版で説明を書いておくのもいいかもしれません。

体験したコンテンツについて
参加者は「まくら投げ」「ムーンライトカフェ」「ボッチャ」を体験。
「まくら投げ」の評価
・楽しい。でも時間が長いので高齢者や運動不足の人にはキツイ?
・台湾では日本のアニメなどでまくら投げはよく知られているので楽しかった
・海外の高校生と伊東の学生で対戦したら盛り上がる
・観戦するだけでも面白い
・畳、浴衣という日本らしい小道具が楽しい
・他のコンテンツと組み合わせてツアー化できるのでは

体験の前にルール解説動画を見てもらいましたが、やってみないと細かいルールは分からないので、実際に枕投げしている動画のほうが良い、その楽しそうな様子で「やってみたい」という意識喚起につなげてはという意見が出ました。
また、意外に時間が長いので、翌日筋肉痛になったという方もいました。「筋肉痛と温泉を結びつけて、セットにしてツアーにするのもあり」というアイディアも。

「ボッチャ」の評価
・グループ観光客同士の対戦にいい
・東京、大阪では体験できないと思う。そこを強調しては
・卓球台のようなセルフだとルールが分からずできないかも
・フィールドを小さくしたミニボッチャでもいいかも

最初ルールが全然分からなかったそうです。
ルール動画も、アニメだと分かりづらいとのことで、観光客に自由に楽しんでもらうコンテンツというより、最初はルールを教える人が必要かもしれません。
ツアーのなかのメニューの1つにしてしまうのもいいのではという意見がありました。

「ムーンライトカフェ」の評価
・今回No.1。若い外国人、大学生やカップルにおすすめしたい
・女子旅やカップルの旅にピッタリ
・星が見えなくても音楽がライブで奏でられ雰囲気が良かった
・ローカルのDJなど音楽イベントにしても良い
・インスタ映えする。星や月が見えなくてもレインボーランタンやライトアップでいける
・これから恋人になりそうな相手と行くのもいい
・夕日のうちからあの場にいたい。稜線や海を見て月が出るまでいたい
・星空で有名な阿智村よりもよかった。音楽や夜景、キャンドルなどの魅力。阿智村より東京から行きやすい
・ジオガイドの説明もよい
・Klookには載せるべき

参加者全員が「一番良かった」と答えたムーンライトカフェ。当日は雲に隠れがちな月でしたが、音楽の生演奏、伊東市の夜景、レインボーランタンやLEDライトによるライトアップ、カフェの雰囲気などについて高い評価が得られました。
単に月や星、海に映る月の道を見るだけではなく、伊東市の強みとして山の稜線や伊東市の夜景が見られるのもポイントが高く、「夕日の時間から滞在したい」という声が聞かれました。
ジオガイドの説明に、星座の話があっても良い、海外の星座と日本の星座が違うかもしれないからという意見も。
当日は「日本では月でうさぎが餅つきをしている」と見立てるが、「アメリカでは人の顔があるというそうで、そんな違いも話に入ると良いのでは」という話は確かに面白いですね。
送迎+リフト+ドリンクのみではなく、音楽イベントやヨガなどとの組み合わせにより金額が高くなっても参加したいという声が多かったです。

コンテンツの適正価格は
上記3つのコンテンツに「いくらだったら参加するか」意見を聞きました。

※米=アメリカ 台=台湾
条件
まくら投げ/伊東駅からの移動、伊東ローカルとの交流も含め1時間〜1時間半
ボッチャ/ホテルでできるとしたら
ムーンライトカフェ/ホテルからの送迎、リフト、ドリンク券含む

【まとめ】
これから伊東でインバウンド観光を盛り上げるためにいろいろいただいたご意見を活用し、もっとたくさんの方に伊東の魅力を味わってもらえるように力を合わせましょう。
出た意見を簡単に下にまとめました。

・とてもいい場所なのに訪日外国人に情報が届いていない
・来てみたら魅力がたくさんあるのが分かった
・まくら投げやボッチャ、ムーンライトカフェなどのコンテンツは魅力的
・ぜひKlookやKKdayに情報を載せてほしい
・東京から2時間で来られる利便性をもっと伝えてほしい
ファムトリップご参加のみなさま、ありがとうございました。

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