伊東を掘りおこそう!

伊東の宝物

南の海から北上、本州に衝突して伊豆半島が誕生

丹沢山系や富士山にも影響を与えた“伊豆衝突”とは

出典:伊豆半島ジオパーク推進協議会

相模灘と駿河湾に突き出した形の伊豆半島。伊東市はその東側に位置します。伊豆半島が今のように半島となったのは約60万年前と考えられています。実は、伊豆半島は数100万年もの時間をかけて、遠い南の海からフィリピン海プレートの北上に伴って移動し、本州の南部フォッサマグナと呼ばれる富士山周辺の地域に衝突したことでつながったのです。

もともとは現在の硫黄島(本州から約1100キロ南東)付近にあった海底火山の集合体が現在の伊豆半島でした。伊豆半島より以前の約500万年前頃には神奈川の丹沢山系が本州に衝突し一部となっていました。そこに現在伊豆半島となっている海底火山を載せたプレートが衝突し、プレートの表面に突起している火山群が剥ぎ取られて本州に押し付けられ、丹沢山系も圧力によって山並みを形成していきました。この衝突は富士山の形を作るのにも影響を与えたと考えられています。

こうして半島となった部分では、20万年前まではあちこちで噴火が続き、大型の火山(天城山や達磨山)が誕生しました。やがて大型の火山活動がおさまった約15万年前からは、単成火山の活動が始まり、大室山などが誕生しました。伊東市は本州に衝突した海底火山の地層と、天城山などの大型火山や大室山などの単成火山といった陸上火山の地層が入り混じってできています。

伊豆半島の成り立ちや火山活動は、伊東の地に素晴らしい自然の恵みと絶景をもたらしました。大型火山の形成で作られた標高1000メートルを超える山地は雲を呼び雨を降らし、溶岩によって作られた複雑な海岸地形は地球が誕生した歴史をも垣間見ることができる貴重なポイントとなっています。

こうした成り立ちと景観は2018年(平成30)にユネスコ世界ジオパーク※に認定されています。伊東市には、小室山、大室山、城ヶ崎海岸、一碧湖や石丁場、佛現寺の津波碑など51カ所のジオサイトが点在しています。

※国際的に価値のある地質遺産を保護し、そうした地質遺産がもたらした自然環境や地域の文化への理解を深め、科学研究や教育、地域振興等に活用することにより、自然と人間との共生及び持続可能な開発を実現とすることを目的とするもの

関連記事

PAGE TOP