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伊東の著名人:6 坂口安吾と尾﨑士郎

坂口安吾と尾﨑士郎の二人は昭和期の文豪で交流がありました。坂口安吾は1949年(昭和24)、伊東に移住します。睡眠薬を常用し、精神不安に襲われていたための転地療養でした。尾﨑はもともと伊東に住んでおり、交流はさらに深まりました。時には二人して褌一丁で野天風呂へ出かけることもあったそうです。

尾﨑は、安吾に俳人であり医師の佐藤清一(十雨)を紹介します。佐藤は献身的な医療で伊東の人々が患っていた流行性肝臓炎を治療していました。その様子に胸打たれた安吾は佐藤をモデルにした小説『肝臓先生』を生み出します。佐藤はこの小説に感激し、小説の末尾に記された詩文を石碑にして診療所に飾っていたそうです。今、その石碑は伊東図書館の前にひっそりと立っています。

『肝臓先生』には戦後まもなくの伊東の様子が生き生きと描かれています。特に港や漁師の活写は素晴らしく、かつての伊東を知る人には懐かしい風景なのではないでしょうか。

モデルとなった佐藤清一の肝臓先生御夫妻顕彰碑

尾﨑士郎の碑 随筆の一文が書かれている

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