伊東を掘りおこそう!

著名人

伊東の著名人:5 中谷宇吉郎

中谷宇吉郎 1900〜1962

写真:中谷宇吉郎記念財団提供

「雪の結晶は、天から送られた手紙」とは、雪氷学の基礎を築いた物理学者である中谷宇吉郎ののこした美しい言葉です。中谷は1936年(昭和11)世界で初めて人工雪の結晶を作ることに成功した学者です。

北海道に研究所を設立し、極寒の中、研究に取り組んでいました。1936年、天皇の北海道行幸の際、同年に完成したばかりの人工雪の結晶を天覧することになり、準備に明け暮れているうちに病に見舞われ、天覧後、静養のために伊東を訪れます。気候の温暖さや温泉、山海の美味は心身ともに疲れていた中谷を大いに癒やしました。伊東が気に入った中谷は、そのまま一家で移住したほどです。健康を取り戻したのち、札幌に戻り研究を続けましたが、いくつもの著作に伊東での生活が描かれ『雪今昔物語』には「伊東の温泉と南海の雑魚とが私に再び活力を吹き込んでくれた」と記しています。

雪の結晶分類 中谷宇吉郎 『Snow Crystals : Natural and Artificial』 (ハーバード大学出版 1954)をもとに作成

中谷宇吉郎記念財団提供

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