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教育旅行の受け入れのこと

伊豆高原教育旅行の現状

私は色々な観光事業に取り組んでいますが、その中でも大きな事業として「教育旅行」があります。
教育旅行とは学校などで行われる旅行のことを意味しており、代表的なものは修学旅行です。伊東市では教育旅行の受け入れ地として、伊豆高原エリアではペンションを宿泊先とした男女別分宿、伊東市街地エリアでは旅館ホテルを宿泊先とした宿泊をしています。多くの自然体験、ものづくり体験を提供しています。

初めて教育旅行の受け入れに携わった際、生徒だけで1つの宿に宿泊し、出来立てのお食事を食べ、オーナーとふれあいタイムという名前のレクリエーションをすることにとても感心し、素晴らしい取り組みだと感じました。

ここからは伊豆高原での教育旅行を中心にお話しを進めたいと思います。
伊豆高原の教育旅行事業は1997年の1校からスタートしました。その前年にペンション分宿での教育旅行が富士エリアでスタートし、旅行社から伊豆高原での誘致を勧められたことがきっかけです。
その後毎年受入数が増加し、9年目の2004年にピークの9,911人の受け入れを行うまでに成長しました。
その後は東日本大震災の影響で大きく減らした年もありましたが、毎年8,000人~9,000人程度の受け入れを実施しています。

新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた2020年以降、宿泊業自体はコロナ禍前の2019年と比較し、利用人数も6割~7割程度に落ち込みましたが、教育旅行においては2019年の人数を上回る結果となりました。
理由は2つあります。1つ目の理由は、伊豆高原を利用する学校はほとんどが東京、千葉に1泊、もう1泊を伊豆高原というコースで来るため、コロナ禍になり首都圏を回避する動きが全国的に出たため、安全な伊豆を利用する学校が増えたわけです。もう1つの理由は、コロナ禍でマイクロツーリズムという動きが加速し、県内や近県の利用として、これまでなかった静岡県内の小中学校の利用が増えたためです。

もう少し伊豆高原の教育旅行について説明をしたいと思います。
児童・生徒が宿泊するペンションの定員は20名前後が多く、クラスの約半分の児童・生徒が宿泊するのにちょうど良い定員になっています。これを分宿と言って、クラス、男女別で分かれて宿泊をします。先生は生徒とは別の先生用のペンションに宿泊するため、生徒は、先生なしで生徒だけで一晩を過ごします。例えば3クラスの学校だとすれば、1クラス2ペンション、3クラスで6ペンションと先生用のペンションが1ペンションで合わせて7ペンションに分かれて過ごすことになります。修学旅行の夜と言えば、生徒は部屋の出入りは禁止され、先生も一晩中交代で生徒を見張るというのが通常ですが、ペンション泊では、生徒だけで過ごすことになるため、先生がいない夜の盛り上がりは想像に難くないと思います。

↑上の写真はある夜の生徒の様子ですが、生徒が各ペンションに分かれているので、生徒の様子はオーナーが写真に収め、まとめて後日学校に写真をお送りしています。

伊豆高原教育旅行が選ばれる大きな理由の1つは、体験プログラムが充実していることです。上記は行程例ですが、1泊2日で伊豆高原を利用頂く場合は、必ず体験プログラムを行う時間があります。伊豆高原では多くの自然を生かしたスノーケリング、磯釣り、船釣り、地引網、ツリークライミング等のアウトドア体験、陶芸、吹きガラス、和菓子作り、シルバーアクセサリー作り等のインドア体験が充実しており、アウトドア体験は36種目、インドア体験は34種目をご提供しています。

教育旅行のスケジュールの一例

伊豆高原で宿泊、体験をした生徒たちをオーナーが揃ってお見送りします。前日ペンションに来た時のちょっと緊張していた表情とは打って変わって、オーナーとの絆も深まり、別れを惜しむ姿がそこにはあります。

伊豆高原教育旅行の今後

近年学校でもSDGsの学習も進み、それは教育旅行においてもSDGsが学べる体験プログラムの問い合わせが増えています。
伊豆高原教育旅行でも本年から同じブランド研究会のメンバーであるサバーソニック&アジロックフェスティバルの武智さんの協力を得て、プラスチックリサイクル体験のプログラムを体験プログラムとして提供を始めました。
また、チームビルディングという言葉も聞かれるようになり、伊東市が発祥のスポーツまくら投げを学年全体で取り組める体験プログラムとして提供しています。これまで26年間教育旅行の受け入れを継続していますが、時代とともに求められるものも変わってきます。
SDGsの教育プログラム等は宿泊事業者、体験事業者がより理解を深め、利用者の学びに繋がるものを提供していく必要があります。伊東市には多くの資源があり、伊東市の子供たちもこのフィールドで多くのことを学んでいます。
それは誇れる伊東の宝だと思っています。
伊東市の教育旅行をより多くの人で共有し、もっと多くの小学生、中学生、高校生に来てもらい、感じてもらいたいと思っています。

書いた人:伊豆高原観光オフィス 事務局長 利岡正基

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